日本では、成人男性の6人に1人、女性の10人に1人が糖尿病と推定されています(平成24年国民栄養調査)。
糖尿病のコントロールがうまくいっていないと感じる方、他に自分に合った治療法があるのではとお悩みの方は、遠慮なくご相談ください。
当院では外来でインスリン、GLP-1受動態作動薬の注射製剤の導入が可能です。入院してコントロールすることを勧められたが、事情で入院ができない方、普段の生活を送りながら治療を始めたい方は是非ご相談ください。
※インスリンポンプ(CSII)導入およびSAP導入には対応していません。
糖尿病とは
糖尿病とは、生命活動のエネルギー源であるブドウ糖をうまく細胞に取り込めなくなるために血液中の糖が上昇し、高血糖症状(のどが渇く、尿が近い、体重が減るなど)が生じたり、長期的に高血糖が続くと全身の血管に動脈硬化を生じさせ、神経、網膜、腎臓などに臓器障害をおこす原因となります。
糖尿病とインスリン
インスリンはからだの中で血糖値を下げる唯一のホルモンです。
日本人を含めたアジア人は、もともとインスリンを分泌する量が欧米人に比べて少なく(インスリン分泌不全)、また、体重増加が増加するとインスリンが十分効かない状態(インスリン抵抗性)になり、血糖値が上がりやすくなります。
糖尿病の種類
糖尿病には、大きく1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があります。
日本では95%以上の患者さんが2型糖尿病です。
1型糖尿病
1型糖尿病は、種々の原因ですい臓のインスリンを作る細胞が破壊され、インスリンが足らなくなり比較的急速に発症します。治療にはインスリンが必要です。
2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリンの分泌が足らなくなったり(インスリン分泌不全)、インスリンの効きが悪くなって(インスリン抵抗性)起こります。ゆっくりと進行し、自覚症状に乏しいこともあります。
その他にも、妊娠に関連する妊娠糖尿病、他の疾病に伴う二次性糖尿病などがあります。
糖尿病の合併症
血糖値が高い状態が続くと、全身の血管に動脈硬化を生じ、以下の合併症を起こします。
細小血管症
- 神経:末梢神経障害(しびれ、傷が治りにくくなる)
- 目:網膜症(視力低下、眼圧上昇)
- 腎:腎症(尿たんぱく、むくみ、尿毒症)
このほかにも、第6の合併症と言われる歯周病も血糖コントロールと相互に関係します。
大血管合症 脳血管(脳梗塞・脳出血)心血管(狭心症・心筋梗塞)下肢動脈(間欠的はこう・下肢動脈閉そく症) 第4、第5の合併症とも言われています。
糖尿病の治療
食事・運動・薬物治療が治療の3本柱です。すべての人に共通する食事療法は治療の土台です。
当クリニックでは、まず、食生活の内容をお聞きして、偏ったり過剰なところがないかを判断します。
一日の摂取カロリーは目安としてお話ししますが、個人の事情に合わせた指導を行います。極端な糖質制限は推奨していません。
運動療法も個別に指導します。基本は歩くことですが、患者さんの病状に合わせて行っていただきます。運動をする習慣のない方が、いきなり始めると逆効果になることがあります。
薬物療法は近年飛躍的に進歩しています。インスリン分泌を促進する薬、インスリン抵抗を改善する薬、食後血糖を改善する薬など、大別すると7種類の薬があり、患者さんのライフスタイルに合わせて治療することが可能な時代となりました。
また、近年は高血糖に対しては、なるべく早くインスリンを使って血糖値を改善させることですい臓を休ませ、コントロールが改善し結果的にインスリンをやめること(離脱)が可能になっています。
入院してコントロールすることを勧められたが、事情で入院ができない方、普段の生活を送りながら治療を始めたい方は是非ご相談ください。